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配偶者の親の土地に建てる二世帯住宅は得?相続など意外な落とし穴も


親の土地に家を建てれば、土地代が浮くし、ご近所との関係も安心でしょ?
と思いますよね。
我が家は、土地を新しく購入して、二世帯住宅を建てました。
実家は、親の名義の土地に兄夫婦が建てました。

そりゃ得だよね。
土地代がいらない。ローンが家だけになります。
土地探しの手間もありません。時間とお金に余裕ができます。
ただ、配偶者の親の土地に二世帯住宅を建てるケースでは、良い面だけではなく注意点があります。
特に、お嫁さんの親の土地の場合です。
この記事では、土地・名義・配偶者との関係・相続の観点から、家を建てる前に考えたほうがいいことを書きます。

SNSで、多くの同居嫁のみなさんと交流してきました。
親の土地に建てる場合の同居は、またちょっと違ってくるんですよね。

それって、お嫁さんの家族と同居、マスオさんのパターンも?

うん。どちらかというと、そっちのほうが…

そうなんだ。
ちゃんと考えた方がいいんだね。

先のことを考えた対策をとっておけば安心ということだよ。
これから、詳しく説明するよ。
Contents
親の土地に二世帯住宅を建てるメリットとは?
二世帯住宅を建てるにあたって「親の所有する土地に家を建てる」という選択は、多くの人にとって魅力的に映ります。
なぜなら、経済的にも生活面でも大きなメリットがあるからです。
特に、住宅価格が高騰した今、親の土地に建てる二世帯住宅が再注目されています。
ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。
土地取得費が不要または節約できる
住宅建設における大きなコストのひとつが「土地代」です。
とくに都市部では、土地価格が建物以上に高額になることも珍しくありません。
しかし、親が所有する土地を利用する場合、この取得費を丸ごとカットできます。
もしくは、親からの援助により大幅に軽減できます。
これにより、自己資金や住宅ローンの負担を大きく減らすことができます。
実家の近くで子育てや介護のサポートを受けやすい
親世代と同じ敷地内で暮らすことで、日常生活の中でサポートを受けやすくなります。
たとえば共働き家庭では、子どもの送り迎えや急な病気のときに祖父母の助けが得られるのは大きな安心です。
逆に、親が高齢になった際には、近くで見守れる環境があることで介護への備えにもなります。
このように、世代間で支え合う暮らしがしやすい点は二世帯住宅ならではのメリットです。
他にも、慣れた土地で、新しい人との付き合いに悩まされない。
かかりつけ医や歯医者、美容院など、新しく探さなくても そのまま利用できます。
固定資産税の軽減(共有や親名義の場合)
土地や家屋には固定資産税がかかりますが、親名義の土地を活用することで、税額を抑えられる場合があります。
たとえば、親が所有者として固定資産税を引き続き負担する形にすれば、子世代にとっては金銭的な負担が軽くなります。
また、土地の一部を二世帯住宅に活用し、残りを賃貸や駐車場として運用するなど、税制面も含めた有効活用の選択肢が広がる点も見逃せません。
その土地、本当に自分たちのもの?名義の落とし穴
親の土地に二世帯住宅を建てる場合、多くの人が「家は自分たちのものだから安心」と考えがちです。
しかし、土地の“名義”に注目しないと、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。

ここでは、土地の名義にまつわる3つの注意点を紹介します。
土地の名義が親のままだと、法的な所有権は得られない
たとえ親の了承を得て土地を使っていても、名義が親のままであれば、その土地に対する法的な所有権や処分権は一切ありません。
つまり、将来的に親が亡くなり、土地が相続の対象になった場合、他の兄弟姉妹が権利を主張してくる可能性があります。
最悪の場合、住み続けられなくなることもあり得ます。
建物の名義と土地の名義が異なると売却・転居が難しい
家を建てるとき、多くの人は建物の名義を自分にしますが、土地が親名義のままだと、将来的に家を売却したくても土地とセットで処分できないという問題が発生します。
特に二世帯住宅の場合、部分的に手放すのも難しく、資産価値を活かしづらくなる点は見落とされがちです。
土地の使用に対する法的保護が弱い
口約束や家族間の信頼関係だけで土地を使っていると、万が一のトラブル時に自分たちの権利を主張できない危険性があります。
たとえば、親が認知症になってしまったり、第三者に土地を譲渡してしまった場合、「建てた家があるから当然使える」とは限りません。
法的保護を得るには、名義の整理や賃貸契約、地役権設定などの手続きを検討する必要があります。
このように、土地の名義が誰のものかは、「今」だけでなく「将来」の安心に直結します。
二世帯住宅を建てる前に、土地の権利関係をしっかり確認しておきましょう。
嫁の親の土地に建てる場合に特有の問題とは
より注意した方がいいパターンは嫁の親の土地に二世帯住宅を建てるという選択です。
夫の立場や心理的負担、相続や家族関係のバランスにおいて非常に繊細な問題を抱えています。
建てる前に冷静な話し合いと法的備えを忘れずに。
夫の立場は「居候」状態?名義・権利の曖昧さ
土地の名義はたいてい義理の父や母にあります。
この場合、夫には法的な所有権がないため、どれだけお金をかけて家を建てたとしても、その土地に対する法的な権利は一切認められません。
さらに注意したいのは、離婚や配偶者の死去など不測の事態が起こったとき。
名義上、夫には住み続ける権利がありません。
土地が自分のものではない以上、家を売ったり建て替えたりといった自由な選択もできません。
家族仲が良く、円満に話し合いできればいいのですが、そうじゃない場合が困ります。
夫の心理的ストレスが大きくなりやすい
いくら自分が建てた家であっても、「土地は義実家のもの」という意識があるため、“居候のような感覚”から抜け出せないことがあります。
また、生活のあらゆる場面で義両親の影響力が強くなりやすく、たとえば子育ての方針や家計の運営など、家庭内の重要な決定にも義実家の意向が色濃く反映されがちです。
義両親との距離が近すぎると、夫婦間のストレスが増し、関係に悪影響を及ぼすことも少なくありません。
トラブルを防ぐためにできる対策とは?
- 土地の共有名義や贈与契約の検討
- 事前の家族会議とライフプランのすり合わせ
- 専門家への相談で法的な対策を講じる
あらかじめ夫婦でしっかりと将来のビジョンを話し合い、「対等な関係」であることを意識した住まいづくりが欠かせません。
たとえば、土地を夫婦共有名義にしたり、あるいは贈与契約を結んで名義を整理する。
贈与税や名義変更に伴うコストや法的リスクもあるため、税理士や司法書士といった専門家に相談することが重要です。
家を建てる前の段階で家族全体の理解を得ておくことで、建てた後の人間関係やトラブルを避けることができます。
将来的な相続トラブルに注意
- 他の兄弟姉妹が遺留分を請求してくる可能性
- 「同居してたから住み続けて当然」は通用しない
- 相続税や名義変更の費用負担も考慮を
親が亡くなった後に起こる想定外の問題
- 土地を相続できなければ住み続けられないことも
- 売却や分割で他の相続人と揉めるリスク
- 医療・介護費の支払いで生活が圧迫される恐れ
トラブルを防ぐためにできる対策とは?
- 土地の名義・贈与・相続について事前に整理する
- 二世帯住宅の形(完全分離・部分共有など)を明確にする
- 配偶者・両親・兄弟と十分に話し合い、将来まで見据えた設計を
まとめ
親の土地に二世帯住宅を建てるのは、土地代がかからず一見お得に感じますよね。
でも実は、名義や相続、配偶者との関係など、考える問題がたくさんあります。
特に「嫁の親の土地」に建てる場合、夫の立場が弱くなりがちで、気づかぬうちにストレスやトラブルを抱えることも。
建てる前に、家族でしっかり話し合いましょう。
また、専門家にも相談しながら進めるのが安心です。

義親の希望を聞いたら、思った以上の費用がかかった。
土地は義親、ローンの名義は夫。
このパターンは建てる前に確認が必要だね。